WORKS, WORKS - HOUSE
Shade

















設計コンセプト
Shade
ー 陰影が包む、癒しの居場所 ー
クライアントご夫妻が求めていたのは、街の利便性よりも、旅先で感じるような心身の解放だった。
海外のホテルで過ごす時間、自然に身を委ね、ただ水音に耳を澄ますあの感覚を、日常の中に持ち帰りたい──。その思いが、この計画の出発点である。
敷地選びにおいても、その価値観は明確だった。南向きの明るさではなく、川と緑に恵まれた東側の環境を最大限に享受すること。設計の基点は、すべての居室からせせらぎと自然を感じられる「東面大開口」とした。一般的な採光の常識にとらわれず、この土地ならではの心地よさを最優先に構成している。
建築の核となるのは、深く大きく張り出した屋根である。広大な敷地スケールに呼応するよう、屋根の長さとプロポーションを丁寧に整え、建築全体のバランスを成立させた。この大きな屋根は、強い日差しを和らげるだけでなく、板張り外壁を日焼けから守り、素材の経年変化を美しく保つ役割も担っている。
内部空間は、軒下の陰影から一転して、二層分の高さをもつ吹抜けのLDKが現れる。全面ガラス越しに広がる緑と空、窓を開ければ届く川の音。砂を混ぜた塗装壁や無垢材、タイルを組み合わせた内装は、上質でありながらどこか肩の力が抜け、ホテルラウンジのような居心地を生み出している。
この建築のデザインの核となる大きな屋根(Shade)は、立地・素材の必然的な帰結であり、大自然を深い軒下の空間として切り取る装置でもある。
住まい手が自然の豊かさとせせらぎの心地よさに包まれながら、癒され、穏やかな時間を重ねていくことを願う。
住宅設計監理 -新築-
所在地:兵庫県芦屋市
構造規模:木造/2階建て
延床面積:約59坪
敷地面積:約426坪
郊外型住宅/在来浴室/吹抜/暖炉/グランドピアノ/ナチュラルモダンデザイン
