WORKS, WORKS - HOUSE

Vista

FACADE

APPROACH

TERRACE

ENTRANCE

NOOK

LDK

Stairs

Japanese Room

DEN

2nd Living & Wood Deck

Master Bed Room

Powder

Rest Room1

Rest Room 2

Laundry

Vista

ー 景色を日常に ー

もともとはクリニックの新築計画としてご依頼を受け、2017年に竣工を迎えたクライアントから、次に託されたのは住まいの計画だった。現在の自宅から歩いて行けるほど近い場所への住み替え。十分に美しく、まだ新しさの残る住まいがあるにもかかわらず、その選択に迷いはなかった。

現地を訪れ、丘の上から横浜の街並みと海を一望した瞬間、その理由は明確になった。180度に広がる眺望は、時間帯によって、季節によって、そして天候によってまったく異なる表情を見せる。水面へと視線が溶け込むように続く景色は、自然との境界を曖昧にし、視野そのものを大きく解き放つ。この景色を日常の中で味わいながら暮らすことの豊かさと贅沢さが、自然と想像できた。

敷地は平坦地よりも傾斜地の割合が大きく、高低差によって視界が大きく開かれる特性をもっていた。本計画では、その地形がもつ可能性に着目し、あえて傾斜地側へと建築をせり出す構成とした。構造設計者との協議を重ねながら、コストとのバランスを慎重に見極め、敷地条件を最大限に活かす計画としている。結果として、視界はさらに大きく広がり、空・街・海が連続する、非日常的な奥行きをもつ居場所が生まれている。

内部空間は、この眺望を主役としながら、施主がこれまでの旅の中で出会い、選び抜いてきた素材や家具によって丁寧に整えられている。大谷石や特殊左官による壁面、階段ホールの照明、各所に配置されたインテリアは、単なる装飾ではなく、景色と呼応しながら空間の奥行きをつくり出している。インテリアを愛し、時間をかけて集めてきたものたちが、この住まいに確かな温度と個性を与えている。

外構計画もまた、施主自身の強い美意識のもと、建築と調和するテクスチャーや植栽が選び抜かれた。建築・インテリア・外構が一体となり、この場所ならではの佇まいを形づくっている。

昼と夜で異なる表情を見せ、季節や天候によっても刻々と変化する景色は、住まい手を飽きさせることなく、日々の暮らしに新しい発見をもたらす。この住まいは、絶景を眺めるための場所ではなく、絶景とともに生きるための空間である。

この土地に住むことの価値を存分に味わいながら、クライアントが日常そのものを楽しみ続けていくことを願う。

住宅設計監理 ー新築ー

所在地 : 神奈川県 横浜市

構造規模: 木造 / 2階建て

延床面積: 約70坪

敷地面積: 約147坪

水盤 / 眺望 / 吹抜け

ホテルライク / 大谷石 / ヌック / セカンドリビング

2026-01-07