WORKS, WORKS - HOUSE
Ridge




FACADE




APPROACH & POACH




ENTRANCE & HALL



LDK

JAPANESE ROOM

POWDER & RESTROOM

SNTL & BATH


TERRACE & GARDEN
Ridge
― 風景に寄り添う、稜線の佇まい ―
丹波篠山の田園と低層の山脈に囲まれたこの地において、住み慣れた環境でこれからの時間を重ねていくための拠点として本計画は構想された。 視界の先にはなだらかな稜線が連なり、空と大地の広がりを感じさせる、開放感に満ちた敷地である。まず取り組んだのは、この広がりのある敷地に対し、「建築がどのような姿勢で佇むべきか」という点であった。
敷地は、北側に都市的な要素を抱えながら、南側には穏やかな庭と遠景の山並みが広がる。そこで建物は、南庭のプライバシーを守りながらも風景を大きく取り込むよう、東西に長く伸びる平面構成とし、水平性を強調した伸びやかな外観とした。二階部分のボリュームは過度に主張させず、遠くの稜線と視覚的に呼応するよう、全体の高さとプロポーションを丁寧に整えている。
素材選びにおいては、自然素材を好まれるクライアントの想いを反映し、華美な装飾を控えながらも質感の積み重ねによって空間の奥行きをつくることを意識した。ポーチには竹格子壁を設え、深い軒を架けることで、素材を守りながら建築全体に落ち着いた陰影を与えている。この深い軒は、外観の印象を引き締めると同時に、内外の関係をやわらかくつなぐ中間領域としても機能している。
玄関は階段ホールと一体となった吹抜け空間とし、アプローチから内部へと連続する伸びやかな体験をつくり出した。階段の先には中庭、南庭、そして遠くの稜線へと視線が重なり合い、建築の中にいながらも風景の奥行きを感じられる構成としている。平面計画は、玄関を起点に東側にLDKなどのパブリックな空間、西側に個室などのプライベートな空間を配置し、生活の領域を静かに切り分けている。
リビングは吹抜けとし、屋外テラスや中庭からの自然光がやわらかく行き交う空間とした。薪ストーブの火や絵画、質感豊かなマテリアルが重なり合うことで、日常の時間に深みと豊かさを与えている。 南庭は、その広さを活かし、建築で生じる土を用いて築山を造成。ガラス張りの浴室の目隠しを兼ねながら、高低差のある庭をつくり出した。庭には地下水を引き込んだ小川を巡らせ、長年この地に根付いてきた樹木を移植することで、土地の記憶を受け継ぐ風景を整えている。
抑制された素材感と水平に伸びる構成によって、建築は風景に勝つことなく、その背景として静かに佇む。 この場所での暮らしを通して、自然の移ろいとともに時間が積み重なり、ここで得られる心地よさが、クライアントの人生の風景をより深く、豊かなものとしていくことを願っている。
住宅設計監理 ー新築ー
所在地 : 兵庫県 丹波篠山市
構造規模: 木造 / 2階建て
延床面積: 約93坪
敷地面積: 約606坪
築山 / 小川 / 井戸水 / 中庭 / 吹抜け
薪ストーブ / 在来浴室 / 竹 / 和紙
耐震等級3 / SE構法 / セントラル換気
ドイツ漆喰 / 創作キッチン(クチーナ)
