WORKS, WORKS - HOUSE

Double Yard

外観
外観


玄関ホール
玄関ホール



階段ホール
階段ホール



ダイニングキッチン
ダイニングキッチン



ダイニング
ダイニング




リビング
リビング



洗面&浴室
洗面&浴室



中庭
中庭



外庭
外庭



外観
外観



ダイニング2
ダイニング




Double Yard

― 距離を保ち、つながる場所 ―

住み慣れた街で新たな土地を得て、ライフスタイルの変化とともに親との同居も見据えた、完全分離型の二世帯住宅の計画である。

屋内ではドアを介して行き来が可能でありながら、水廻りを含め生活機能はそれぞれに独立させ、日常の距離感を大切にした構成とした。近くにありながら、無理に交わらない。その程よい関係性を、建築としてどうかたちにするかが、この計画の出発点であった。

敷地には前庭・中庭・南庭と複数の外部空間を点在させ、それぞれの住戸に自然の潤いと視線の抜けをもたらしている。庭は単なる緑のための余白ではなく、光や風、気配を介して、世帯と世帯のあいだに静かなつながりを生み出す場として位置づけた。

アプローチに沿って設けたコンクリートの壁は、杉転写による表情を与えることで重厚さの中に繊細さを併せ持ち、玄関ポーチに並ぶ木格子と相まって、和の趣を感じさせる佇まいとしている。その壁は玄関内部まで連続し、内外の境界を曖昧にしながら、奥行きのあるアプローチ空間をつくり出している。

玄関には、当事務所が多く採用している玄関一体型の客間を設けた。小上がりの和室とし、障子を開ければ玄関ホールと緩やかにつながり、締めればLDKから切り離された落ち着きのある空間となる。急な来客をそのまま通せる応接間としても機能し、住まいの第一印象をやわらかく受け止める場である。奥に設けた地窓は中庭へと視線を導き、日々の暮らしの中で四季の移ろいを静かに感じさせる。

平面構成は、玄関ホールを起点に、西側を親世帯、東側を子世帯とし、中庭を介して明確に分けている。一方、子世帯のリビングは大きな吹き抜け空間とし、南庭や中庭、さらには二階の書斎コーナーとも視線と気配が連なる構成とした。家族がそれぞれの居場所にいながら、ふとした中で、気配が自然に伝わる開放的で伸びやかな空間である。

前庭や中庭、南庭といった幾つもの外部空間が、二つの世帯の暮らしをやさしく包み込み、日常の中に自然な気配の重なりを生み出していく。中庭を介して漏れる灯りや、わずかに届く生活の音は、互いの距離を保ちながらも、安心感を住まいにもたらす。 近すぎず、遠すぎない関係性を、建築として支えること。 Double Yardが、それぞれの世帯にとって心地よい距離とつながりを内包した暮らしの舞台となり、これからの時間を穏やかに、そして豊かに育んでいくことを願う。

住宅設計監理 -新築-

所在地:兵庫県西宮市

構造規模:木造/2階建て

延床面積:約77坪

敷地面積:約120坪

コンクリート杉化粧打放仕上げ/住宅性能証明(耐震)/2世帯住宅/中庭/外庭/外階段/在来浴室

2021-01-04