WORKS, WORKS - HOUSE
Scenery








設計コンセプト
Scenery
ー 時を纏い、街の風景となる ー
ヒアリングの中で施主が語ったのは、「古くなっても色褪せることのない建築が好きだ」という一言だった。流行や新しさではなく、時間を味方につけながら価値を深めていく存在。その言葉が、この計画の確かな軸となった。
設計の起点として思い浮かんだのは、フランク・ロイド・ライトの建築、とりわけ日本に残る名作であるヨドコウ迎賓館である。そこに象徴される、素材と時間の関係性に着目した。外装・内装に用いた大谷石は、温かみのある肌合いと軽さを併せ持つ、日本では歴史ある石材である。朽ちてなお美しさを残すその性質に魅力を感じ、現代的なモダンデザインと融合させることで、上品で確かな存在感をもつ佇まいを目指した。
並木道に面した角地という立地に対し、建築は環境に過度に主張することなく馴染みながらも、素材と構成によって静かに人の視線を引き寄せる。重厚になりがちな石の建築に対しては、バルコニーや屋根を片持ちで構成し、浮遊感と軽やかさを付加した。木造との相性がよく、重量の軽い大谷石だからこそ実現できた構成である。一方で、地面から立ち上がるように配した大判の庵治石を象徴的な位置に据え、空間全体に芯となる重厚さを与え、全体のバランスを整えた。
石は時を重ねるほどに表情を深めていく。
そんな存在が街の風景(Scenery)となり、地域の人々や住まい手の暮らしとともに、静かに記憶を積み重ねていくことを願う。
住宅設計監理 -新築-
所在地:兵庫県西宮市
構造規模:木造(在来) / 2階建て
庵治石・大谷石・全館空調・2階リビング・インナーガレージ
2019-01-01
